特集 聴診・触診×エコーで診断推論!—Point-of-Care超音波(POCUS)の底力
扉
亀田 徹
1
1安曇野赤十字病院救急科
pp.768-769
発行日 2018年6月15日
Published Date 2018/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201522
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超音波(エコー)は耳で聞こえない音波を指しますが、その反射をもとに体内が視覚化され、半世紀近くにわたり診療に役立てられてきました。近年では超音波装置はポケットに入る大きさになり、point-of-care ultrasound(POCUS)という概念が広まってきました。検査室での超音波検査は一領域について系統的に走査が行われますが、POCUSでは、病歴と身体所見に基づいた診断推論をもとに、観察部位が絞られます。また、超音波を専門にしない臨床医でも、ベッドサイドで短時間に行える手法であることが望まれます。そのような観点で、POCUSは「診察の一部」としての利用が期待されています。
超音波検査中は、患者との対話を通じて適宜病歴が聴取され、プローブを用いて触診も行われますので、POCUSは診察の一部として、イメージしやすいとも考えられます。
POCUSを診察に組み込む意義としては、❶体内の視覚化を通じて身体所見を補う、❷診断推論がさらに深まる、❸身体所見取得スキルの向上に役立つ、などが挙げられます。
本特集では、聴診・触診とPOCUSとの対比や組み合わせ、POCUSを含めた診断推論を通じて、診療の質向上の可能性をお示ししたいと思います。なお、POCUSが診察の一部になっても、身体所見の重要性に変わりはありません。身体所見と超音波は互いに助け合う!
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