特集 小児診療“苦手”克服!!—劇的Before & After
“匠”を目指すための9つのワザ
❹問診とコミュニケーション
武者 幸樹子
1
1かえでファミリークリニック
キーワード:
子どもは健康学習者
,
「私はあなたの味方」
,
小児診療のコミュニケーション
,
問診のコツ
Keyword:
子どもは健康学習者
,
「私はあなたの味方」
,
小児診療のコミュニケーション
,
問診のコツ
pp.1644-1647
発行日 2017年12月15日
Published Date 2017/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201252
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苦手だったあの頃
私が小児診療が苦手だったのは、泣く子どもが苦手だった頃だ。あやしながら、「まず胸部診察をして、苦手な頭頸部は最後に」と心掛けても、問診の間は静かだった子どもが、聴診器を当てた途端に泣き出して聴診ができない。さらに鼓膜観察のため耳を触った途端に泣いて暴れる、舌圧子を近づけると頑として口を開けない等々、子どもが泣くと、診察が思った通りに進まない。ましてや診察室に入った時点で泣いている子どもには、お手上げの状態だった。子どもが泣くと、「この先生、子どもがうまくみられないのね」とお母さんから評価されたように感じて焦る一方、「泣き止ませるのはお母さんの役目でしょ」と、診療がスムーズに進まない責任を保護者に押しつける思いがあった。結果、子どもとも保護者とも積極的にコミュニケーションがとれず、形式的に診察をし、一方的に病状説明をして終了、という診療だった。
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