総合診療専門医(仮)セルフトレーニング問題・3
入院中に下腿痛を訴えた高齢女性
家 研也
1
1聖マリアンナ医科大学 総合診療内科
pp.806-809
発行日 2017年6月15日
Published Date 2017/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200981
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セッティング
あなたは300床の総合病院(郊外)の総合診療医。各科専門医が常勤で少人数ずついるが、総合診療科が内科系入院を幅広く担当している。
Case
山川さん(仮名)というアルツハイマー型認知症で施設入所中の79歳女性が、来院前日からの悪寒・食欲低下・37℃台の微熱のため施設職員に連れられ外来受診し、「尿路感染症」の診断で入院治療を開始された。入院4日目の朝、あなたが回診に行くと、山川さんが左下腿の痛みを訴えている。バイタルサインは血圧152/86mmHg、脈拍数84回/分・整、呼吸数16回/分、体温37.2℃、SpO2 96%(室内気)。頸静脈怒張なし、呼吸音・心音に特に異常を認めない。 左下腿に腫脹と把握痛を認め、あなたは「DVT(下肢静脈血栓症)」を疑った。
既往歴:関節リウマチ、アルツハイマー型認知症、骨粗鬆症。
手術歴:特になし。
常用薬:プレドニゾロン10mg分2、セレコキシブ200mg分2、オメプラゾール10mg分1、アルファカルシドール0.25μg分1
社会歴:元飲食店経営。夫は肝癌で逝去。施設近隣に長女家族が在住。喫煙歴・飲酒歴なし。
入院前ADL:室内は歩行器使用で歩行可能。更衣・食事摂取・排泄は自立。
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