Dr.上田剛士のエビデンス実践レクチャー! クスリとリスク・12【最終回】
薬剤性血球減少
上田 剛士
1
1洛和会ヘルスケアシステム 洛和会丸太町病院 救急・総合診療科
pp.355-359
発行日 2017年3月15日
Published Date 2017/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200835
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症例
患者:68歳、男性。
現病歴:コントロール不良な糖尿病のため足部潰瘍・骨髄炎で入院となり、ピペラシリン/タゾバクタム(4.5g、1日4回)で治療開始した。来院時に心房細動も指摘され、経口摂取が困難であったため、ヘパリンの持続静注も開始された。
入院4日目の血液検査で、血小板数が20×104/μLから12×104/μLに減少したが、D-dimerは高値でDIC(播種性血管内凝固症候群)の存在が疑われ、ヘパリンは継続したところ、入院11日目には血小板数は回復した。この時点で感染徴候は改善していたが、入院25日目の血液検査で白血球数が1,500/μL、好中球数380/μLとなった。「薬剤性無顆粒球症」と判断し、抗菌薬を変更したところ、入院35日目に白血球数は7,100/μLまで回復した。
Q:無顆粒球症や血小板減少をきたしやすい薬剤には、どのようなものがあるでしょうか?
ヘパリンによる血小板減少が他の薬剤による血小板減少と異なるのは、どのような点でしょうか?
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