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病歴
患者:乳癌術後フォロー中の64歳,女性.
主訴:1カ月間持続する発熱.
現病歴:転院47日前より寒気と倦怠感を自覚した.45日前より38.8℃の発熱と背部痛をきたしたため近医を受診したところ,「風邪」としてセフェピムを2日間点滴され,解熱薬を処方された.43日前に37.8℃の発熱がありA病院に紹介されたが,症状が軽快傾向にあったため無治療で経過観察となった.41日前からしばらく36℃台で経過し,倦怠感は消失していたが,29日前から37℃台前半の発熱と倦怠感が再発して持続し,24日前の夜には体温が39.5℃まで上昇したため,A病院を再診した.腹部CTで発熱を説明できる明らかな異常はなかったが,食思不振と強い倦怠感を伴ったため,精査加療目的でA病院に入院した.
入院中,乾性咳嗽,一過性の顔面発赤,背部痛と両上下肢の筋肉痛をきたし,血液検査では,CRP 1.37〜12.4mg/dl,WBC 3,900〜15,400/μl,AST 35〜66U/l,ALP 230〜824U/lで推移した.ESRは48mm/hと軽度上昇し,画像上わずかな心囊水,腹水と一過性の胸水が認められた.血液培養は複数回陰性で,その他の感染症・膠原病・腫瘍に関連する検査では有意な異常は認めなかった.入院中も発熱は持続しており,不明熱の原因精査目的で当科に紹介され,転院となった(図1).
既往歴:アレルギー性鼻炎,アレルギー性結膜炎,左尿管結石で開腹手術(20歳),高血圧症(22歳),脂質異常症,左乳癌で手術と放射線療法(55歳).薬物・食物アレルギーはない.
薬剤歴:ベポタスチン,カンデサルタン,ベニジピン,プラバスタチン,エルデカルシトール,レトロゾール,ロキソプロフェンテープ,エチゾラム,大黄甘草湯.
家族歴:結核や膠原病の家族歴なし.
生活歴:元学校教員.喫煙歴・飲酒歴なし.
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