書評
膵癌診療ポケットガイド
小松 嘉人
1,2
1北大病院腫瘍センター
2北大病院化学療法部
pp.480
発行日 2010年7月15日
Published Date 2010/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100295
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『膵癌診療ポケットガイド』という書籍が,編集部から送られてきた.読んで書評をとの依頼であった.膵癌マニュアルとか,膵癌~~というのはちまたにたくさんあるので,また同様のものであろうと思いながら読ませていただいたところ,そうではなかった.ポケットガイドなどという題名のため,広く浅くの内容を想像していたが,これも間違いであった.学生や,研修医向けの初心者向きの記載が多いのかと予測していたが,まったく異なるものであった.
さすが,国立がんセンター中央病院・肝胆膵内科医長の奥坂先生と東京女子医科大学消化器外科講師の羽鳥先生というわが国の膵癌診療をリードするおふたりが編者としてまとめただけあって,すでに経験のある先生方にとっても大変有用な書となることは間違いないものと思われる.現場での,今日の臨床に必要でかつ正確な情報を外科から内科的治療に至るまで網羅的に記載されており,忙しい臨床現場での医療スタッフがこれをポケットに入れて膵癌という困難な敵に戦いを挑むには最適の本といえるのではないだろうか.まさに実践向きのマニュアル本である.
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