--------------------
編集後記
梛野 正人
pp.472
発行日 2008年9月15日
Published Date 2008/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100084
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
今日は気合いを入れて臨んだ手術が腹膜播種のために単開腹・非切除となり,ぽっかり時間が空いたのでこの編集後記を書いています.肝門浸潤した進行胆囊癌で減黄はENBDで行いましたが,明らかな漿膜浸潤があったので仕方ありません.
さて,今回の特集では「いま,胆道鏡検査PTCS・POCSを見直す」を取り上げました.“PTCSといえば名大一外”といわれるくらい,われわれの科ではPTCSを盛んに行っていました.1980年代(当時,私は新米医員でした),私の恩師である二村雄次前教授と本特集の序を書いていただいた神谷順一先生が中心となり,胆管狭窄に対する良・悪性の鑑別,胆道癌の進展度診断,肝内結石症の治療などにPTCSは大活躍でした.特に表層拡大進展を伴った胆管癌の診断ではPTCSは必須であり,二度三度と検査が行われ,30個以上の生検検体が採られることも珍しくありませんでした.1977~1990年には切除した肝外胆管癌の実に65.4%!(66/101)にもPTCSが行われていました.しかし,その後は次第に減少し1991~2000年は45.1%(73/162),2001~2003年は23.5%(24/102),2004~2005年は11.3%(12/106)となり,2006~2007年には1.8%(2/112)にまで減少しました.
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.