特集 膵管内乳頭腫瘍と粘液性嚢胞腫瘍の鑑別
座談会
膵管内乳頭腫瘍(IPMT)と粘液性嚢胞腫瘍(MCT)の鑑別―症例検討を中心に
須田 耕一
1
,
福嶋 敬宜
2
,
山雄 健次
3
,
小井戸 一光
4
,
猪狩 功遺
5
,
柳澤 昭夫
6
,
大橋 計彦
7
1順天堂大学医学部病理学教室
2国立がんセンター中央病院臨床検査部
3愛知県がんセンター内視鏡部
4札幌医科大学放射線科
5(財)癌研究会附属病院内科
6(財)癌研究所病理部
7愛知県がんセンター消化器内科
pp.348-367
発行日 2001年5月15日
Published Date 2001/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427900296
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大橋(司会)それでは座談会を始めたいと思います.最近嚢胞性病変の病理と画像診断が非常に発達をしてかなり細かいところがわかるようになってきました.それにつれて,今までは膵の嚢胞性病変は稀な病気として扱われていましたが,画像診断で裏づけできるだけの能力が出てきた現在は,鑑別診断をして,その予後までもある程度診断しないといけない時代になりました.特に最近は,膵の粘液性嚢胞腫瘍と言われる病変の中で,膵管内乳頭腫瘍(Intraductal papillary mucinous tu―mor;IPMT)と粘液性嚢胞腫瘍(Muci―nous cystic tumor; MCT)はどうも違う病変ではないかということが言われてきました.画像的にみると混乱をしていてしっかりと鑑別できないところもあるのですが,病理のほうではある一定の特徴を持った病変としてMCTが出てきたわけです.
ここではIPMTとMCTの鑑別についてこの方面の病理の第一人者の先生方3人に討論をしていただいて,その次に画像を考えようと思います.まずは,MCTとしてこれは誰が見ても典型的であろうと.おそらく3人の病理の先生方が見ても,これなら全く問題ないであろうというのを見て,次に意見が分かれるような症例を検討してみたいと思います.
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