特集 肝細胞癌との鑑別を要する良性腫瘤―画像と病理
Peliosis Hepatis
吉川 淳
1
,
海崎 泰治
2
,
森田 信人
3
,
松井 修
4
Jun YOSHIKAWA
1
,
Yasuji KAIZAKI
2
,
Nobuto MORITA
3
,
Osamu MATSUI
4
1福井県立病院放射線科
2福井県立病院臨床病理研究科
3福井県立病院外科
4金沢大学医学部放射線科
1Department of Radiology, Fukui Prefectural Hospital
2Department of Pathology, Fukui Prefectural Hospital
3Department of Surgery, Fukui Prefectural Hospital
4Department of Radiology, Kanazawa University School of Medicine
キーワード:
肝腫瘍
,
肝血管腫
,
ペリオーシス
Keyword:
肝腫瘍
,
肝血管腫
,
ペリオーシス
pp.66-69
発行日 2001年1月15日
Published Date 2001/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427900252
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疾患概念 Peliosis hepatisは,肝,脾の実質内に不規則な血液貯留腔(Peliotic cavity)がび漫性に広がる病態で,悪性腫瘍や結核などの消耗性疾患,AIDS,蛋白同化ステロイドなどとの関係が指摘されている1),軽度の肝機能異常のみ,あるいは臨床症状をほとんど認めないものから,著明な肝脾腫,急性腹症,肝不全,腹腔内出血によるショックなど致死的な場合まで臨床像は様々である2),原因は明らかにされていないが肝細胞壊死,血管炎や類洞内皮障害などが指摘されている.報告例の多くは病変が肝全体に広がり,造影CTや血管造影においてpe―liotic cavityに明瞭な早期濃染を認めないものが多い.ここでは多血肝腫瘍様の所見を呈した1例を紹介した.
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