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はじめに
2003年4~7月にかけて大学病院,国立がんセンターなど全国82施設の特定機能病院を対象に入院医療費における,いわゆる包括医療制度(DPC:Diagnosis Procedure Combination)が導入された.このシステムは入院患者の1日の保険点数を疾患別に包括するものであり,全国82施設の特定機能病院の入院基本料に適用された.今後は,特定機能病院以外の病院にも拡大される方向性がほぼ確実となっており,このような包括医療化に伴い収益を保ちながら,如何に効率的な診断治療を行うかということが医療現場で求められるようになってきている.すなわち,この制度の導入により,これまでのように“すべての検査を漏れなく行う”といったスタイルの画像診断はもはや過去のものとなりつつある.つまるところ,画像診断においても医療経済の原則を無視することは不可能であり,質を落とすことなく経済的にも効率的な検査方針を構築することが急務となりつつある.現在はまだ外来において,DPCは採用されていないため,現時点での対策としては外来で行うべき検査,あるいは入院後の検査であっても省略せざるを得ない検査などを徐々に疾患別に整理して行く努力が必要である.
もう1つの重要な点は各施設がどの程度最新の画像診断装置を導入しているか,という点である.このことは,包括化の流れにおける画像診断の選択においては重要な問題である.すなわち,CTについては従来のCT装置のみしか有さないのか,Helical CT装置なのか,あるいは少なくとも4列検出器以上のmultidetector-row CTを有しているかどうか,1.5T程度のMRI装置を有しているか,などといった点においても検査の流れは大きく変わってくる.
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