技術講座 超音波内視鏡による膵・胆道領域の画出法(補)
座談会 超音波内視鏡の現状と将来
須山 正文
1
,
真口 宏介
2
,
山雄 健次
3
1順天堂大学医学部消化器内科画像診断研究室
2手稲渓仁会病院消化器病センター
3愛知県がんセンター中央病院消化器内科
pp.710-721
発行日 2005年9月15日
Published Date 2005/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100069
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
須山(司会) 今日はお忙しい中,お集まりいただきましてありがとうございます.本座談会は超音波内視鏡(以下EUS)についての連載を補うつもりで企画いたしました.まず,MDCTの画像と比較してEUSはどこが優れているか.その優れているがゆえにルーチンワークとして使えるのではないかという立場で真口先生からお話しいただきたいと思います.
■EUSの標準化とルーチンワーク
真口 私の施設ではMDCT 16列を2台導入しました.当然EUSは体内に入れるわけですから,患者さんに苦痛を与えるという面から考えるとMDCTに大きな期待を持ち,放射線科の先生とわれわれでダブルチェックをしながらどのくらい拾い上げることができるかを検討してみたのです.しかし残念ながら以前のCTと比べて顕著な差は出ていません.この理由はCTの分解能に限界があり,膵臓とか乳頭部の異常の指摘は今のMDCTをもってしてもなかなか難しいと考えられます.EUSは,分解能が高い,病変の近い位置から見えるという利点から診断能が高く,今しばらく必要であろうかと思います.EUSのデメリットは術者により技術の差がかなり出ますから,難しいと感じている施設では器械が埃を被っている状況であるようです.そこで何とかしたいということで,標準的描出法を検討し,少しでも役に立つ検査法にしていただきたいと思っています.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.