連載 スーパー臨床神経病理カンファレンス・8
15年にわたる緩徐進行性の認知症を伴う小脳性運動失調を認めた55歳女性例
鈴木 幹也
1
,
尾方 克久
1
,
髙田 真利子
1,2
,
髙尾 昌樹
3
1国立病院機構東埼玉病院神経内科
2現 北播磨総合医療センター脳神経内科
3国立精神・神経医療研究センター病院臨床検査部
キーワード:
プリオン病
,
Gerstmann-Sträussler-Scheinker disease
,
脊髄小脳変性症
,
剖検
Keyword:
プリオン病
,
Gerstmann-Sträussler-Scheinker disease
,
脊髄小脳変性症
,
剖検
pp.1079-1085
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416202737
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〔現病歴〕40歳時,失調性歩行が生じ,A大学病院神経内科で臨床症状より脊髄小脳変性症3型(spinocerebellar ataxia type 3:SCA3,マシャド・ジョセフ病)と診断されたが,遺伝学的検査は本人・家族が希望されず未実施だった。その後近医に通院していたが,徐々に失調性歩行が進行して独歩不能になり,また認知症が生じた。
44歳時,当科を紹介され初診した。つかまり歩きは可能だが主に車椅子移動,スプーンで食事ができるがむせがあり,オムツ着用,神経学的に四肢運動失調,構音障害,眼振,認知症があった。母方のいとこが34歳時に失調性歩行でSCAと診断され,35歳で認知症,36歳で肺炎のため死亡していた。
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