書評
「総合内科マニュアル 第2版」—八重樫牧人,佐藤暁幸【監修】 亀田総合病院【編】
矢野 晴美
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1国際医療福祉大学医学教育統括センター/感染症学
pp.1020
発行日 2021年9月1日
Published Date 2021/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416201881
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現在,日本では,内科系診療の「コア」の部分を担当する専門診療科である「総合内科」または「総合診療科」のさらなる普及と確立が望まれている。総合内科は学会でもコンセプトの普及に尽力し,入院診療では病院総合内科,外来診療ではかかりつけ医としての役割などにおいても日本の実情に合わせた実働がなされつつある。総合診療科も,臓器横断的かつ体系性を持つ専門診療科として,少しずつ設置され普及してきている。本書は,総合内科・総合診療科が重要視され始めた2011年に初版が刊行された。その後10年を経過した2021年に,その改訂版が出されたことは,診療現場にとって朗報である。
本書は,亀田総合病院で総合内科部長を務める八重樫牧人先生,佐藤暁幸先生が監修し,歴代の素晴らしい研修医,指導医の先生方がその力と思いを結集して編さんされたポケットマニュアルである。研修病院の有数の老舗の優秀な若手医師,国内外で活躍した指導医が共著で執筆されている。世界で共有される良質な科学的なエビデンスと国内事情を加味した使いやすさが特徴である。特に注目したのは,「患者ケアの目標設定」,私の専門領域の「感染症」,「高齢者医療の原則」「疼痛緩和の原則」「ヘルスメンテナンス(健康増進)と予防」である。
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