書評
「医学生・研修医のための画像診断リファレンス」—山下康行【著】
笹本 浩平
1
1名張市立病院総合診療科
pp.154
発行日 2019年2月1日
Published Date 2019/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416201234
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画像読影は医学生・研修医の皆さんにとって必須のスキルです。最近の医師国家試験では画像問題が頻出で,合格後すぐに必要となる画像検査とその解釈について問うています。実際,研修医になると画像検査が患者さんの病態理解のキーになることを経験するでしょう。しかし,画像診断はとても難しいと感じます。どこをどのように読んでいったらよいかわからなくなることもありますし,そもそも画像解剖がわからないということもあります。同じ画像を見ているのに上級医と見えているものが違うこともたくさん経験するでしょう。自分で読影できないときはdoctor's doctorと呼ばれる放射線科医の読影レポートが頼りになりますが,24時間365日すぐにレポートが飛んでくる環境ではない場合はどうしましょうか。自分で読影するしかないのです。
そんなときに『医学生・研修医のための画像診断リファレンス』が役立ちます。本書は各章の最初に総論として画像診断アプローチ法と鑑別診断の方法がまとめられていて,画像解剖と読影に必要な知識をコンパクトに理解できます。また,鑑別のポイントも記載されていて,各領域の鑑別診断の復習にもなります。画像解剖や専門用語を理解し使えるようになれば,他科へのコンサルトや診療情報提供書の記述の際により正確に相手に伝えることができるようになるでしょう。
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