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書評 「ENGアトラス めまい・平衡機能障害診断のために」—小松崎 篤【著】
廣瀬 源二郎
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1浅ノ川総合病院脳神経センター
pp.1280
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416200904
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めまい・平衡障害患者を取り扱う医師にとり,眼球運動異常を診断することは非常に重要である。今回,めまい・平衡障害分野の名医として広く知られている著者が,半世紀にわたる経験をもとに自身で重要な眼振症例を注意深く記録として残されたものを広く公に発刊されたのが本書であり,まさに渾身の著作である。
診察時に肉眼観察で眼球運動異常の有無を捉えて診断するのがわれわれ一般の臨床医である。その際重要な症例はビデオ記録として残すのが一般的である。それに加えてさらに他覚的定量的分析記録として角膜網膜電位差を応用した眼振図(ENG)を残し,後々に種々の定量的検討を加えることでめまい病態を把握することができるわけである。光学法や強膜サーチコイル法に劣るとはいえ,注意深くENGを記録することは患者側の負担も軽く臨床的には十分すぎる眼振検査法である。
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