書評
「慢性頭痛の診療ガイドライン2013」―日本神経学会/日本頭痛学会●監修 慢性頭痛の診療ガイドライン作成委員会●編
髙橋 良輔
1
1京都大学大学院・臨床神経学
pp.856
発行日 2014年7月1日
Published Date 2014/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416101845
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診療ガイドラインに必要な条件はまず,EBMの手法に忠実にのっとって作成されていることであるが,次にどれだけ読みやすく使い勝手がよいかという,読者の利便性を考慮することが挙げられると私は考えている。ガイドラインの目的は医療の標準化であり,広く読まれなければその目的を達成することができないからである。
本書は,その前版の,日本頭痛学会による『慢性頭痛の診療ガイドライン』(2006年)から読者への配慮が行き届いているのが印象的であった。臨床的に重要な問題がクリニカルクエスチョンに網羅されているだけでなく,クリニカルクエスチョンも推奨文も短い文章にまとめられ,解説,文献まで含めて2~3ページ以内に収められている。短時間でポイントがわかる構成をとっており,薬物治療では容量など具体的な記載が充実しているため,若手医師や頭痛の非専門医にとってもベッドサイドで使いやすく,私も大変重宝していた。私自身,日本神経学会編『パーキンソン病治療ガイドライン2011』の作成に携わったが,上記の点で慢性頭痛のガイドラインを良いお手本として参考にさせていただいたものである。
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