書評
「《脳とソシアル》脳とアート――感覚と表現の脳科学」―岩田 誠,河村 満●編
宇高 不可思
1
1住友病院・神経内科
pp.588
発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416101500
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人は社会の中で生きており,それを担う脳は社会的存在でもある。脳の研究も個体の「生物脳」としての研究から「社会脳」の研究へと主流が移ってきた。岩田 誠先生,河村 満先生の編集になる医学書院の「脳とソシアル」シリーズは,このような潮流の中で“社会脳”をテーマとして扱った労作である。すでに刊行された3冊はいずれも医学の分野を超えた広範な領域の専門家によって執筆されており,一読するたびにその構成の巧みさと内容の面白さに感嘆したものである。第1弾の主題は「社会活動と脳」,第2弾は「発達と脳」,第3弾は「ノンバーバル・コミュニケーションと脳」であった。
今回新たに刊行された第4弾の主題は「脳とアート」である。「感覚と表現の脳科学」という副題に加え,帯には「脳はときどき嘘をつく」と意味ありげな言葉が書かれているが,読んでからのお楽しみとしよう。
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