書評
「≪脳とソシアル≫発達と脳―コミュニケーション・スキルの獲得過程」―岩田 誠,河村 満●編
小林 登
1,2
1東京大学
2チャイルドリサーチネット
pp.644
発行日 2010年6月1日
Published Date 2010/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416100706
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本書は,東京女子医科大学名誉教授岩田 誠先生と,昭和大学医学部教授河村 満先生によって編集され,序論を含めて4章からなり,わが国の発達領域に関わる脳研究の第一人者である18人の専門家により執筆された272頁からなるものである。
全体として,その構成をみると,岩田誠先生のアイデアが光っているようにみえる。評者は折々,先生のお考えを伺う機会があったからそう思うのであろうか。脳からみたヒトの発達について先生が書かれた興味深い序論,さらには冒頭の「発刊によせて」,そして巻末の「あとがきにかえて」の河村先生との対談を読むと,それがよく理解される。すなわち,文化人類学的,さらには進化論的な発想で医学・医療問題をとらえようとする立場である。評者も,脳の働きを理解するには,それなしでは成し得ないと考えている。
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