- 有料閲覧
- 文献概要
昨今の医療技術の進歩には目を見張るものがあります.糖尿病に関連した領域においても,CGM(continuous glucose monitoring)に代表される血糖モニタリングや,インスリンポンプなどのインスリンデリバリーシステムに関する技術は日々進歩しており,多くの患者さんがその恩恵を受けています.最近では血糖モニタリングとインスリンデリバリー技術を融合させたシステムも利用可能となっています.こうした技術の進歩は,疾患に対する理解を助けたり,血糖コントロールの改善に役立ったりするだけでなく,患者にとって大きな希望ともなっています.糖尿病療養指導に携わるわれわれには,こうした技術の進歩について十分に理解し,日常診療のなかで適切に情報提供を行いながら,有効に活用していくことが求められています.
本特集では,まず血糖モニタリングシステムの進歩について,持続血糖モニタリングの先駆者的立場から,CGMの有効活用と今後の展望について西村理明先生にoverviewをお願いしました.鈴木 亮先生にはこれから注目度が急上昇すると思われるflash glucose monitoring(FGM),ambulatory glucose profile(AGP)につきまして解説をお願いしました.FGM,AGPは血糖モニタリングがまた一つ新しい時代に入ったことを感じさせるものです.今後はさらに「侵襲のない」血糖値測定法の開発が進んでいくものと思われますので,非侵襲センシングの現状と展望について,松浦祐司先生に解説をお願いしました.2015年3月には,加圧ガスを使うことにより,知覚できない形で皮膚組織に穴をあけて血糖を測定する方法を米Googleが特許申請したとのニュースが流れましたが,非侵襲センシングの進歩も患者さんに大きな希望を与えるものです.
Copyright © 2016, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.