海外文献紹介
高齢糖尿病患者において,高血圧・糖尿病治療の脱強化が行われている割合
栗田 守敏
1
,
中神 朋子
1
1東京女子医科大学糖尿病センター
pp.226-227
発行日 2016年3月15日
Published Date 2016/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415200379
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高齢者に対する高血圧・糖尿病治療に関しては,治療のリスクとベネフィットを考慮し,患者個人の状態に応じて適切に行う必要があります.ACCORD試験では,糖尿病患者において,収縮期血圧120mmHg未満では有害事象が増加し,HbA1c 6.0%未満では総死亡率が上昇することが示されました.
高血圧治療に関しては,近年,認知症・脳血管疾患などのリスクも考慮し,わが国では「高血圧治療ガイドライン2014」において,病状に応じて65〜74歳では血圧140/90mmHg未満,75歳以上では血圧150/90mmHg未満でもよいとしています.また,糖尿病治療に関しては,米国糖尿病学会は高齢者には病状に応じて,血糖コントロール目標をHbA1c 7.5〜8.0%以下としてもよいとしています.わが国では,明確な血糖コントロール目標は示されていませんが,医療者が患者個人の状態を考慮し診療を行っています.
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