糖尿病運動療法“ヒヤリ・ハット”・1【新連載】
運動教室前,低血糖の訴えがあったが,実は高血糖であった
小池 日登美
1
1高村内科クリニック
pp.333-335
発行日 2015年4月15日
Published Date 2015/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415200130
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運動療法の現場では,さまざまな事故がおこる可能性があります.具体的には転倒や外傷などが多いのですが,糖尿病患者の場合は合併症・心血管系疾患・血糖値の問題などから,運動時にさまざまなリスクを惹き起こすおそれがあります.
近年,医療現場でも深刻な事故には至らないものの,事故につながりかねない一歩手前のエピソードのことを「ヒヤリ・ハット」と称し,その事例を収集・分析して再発を防ぎ,重大事故の防止につなげています.もとは労働安全の分野で生まれた概念であり,その考え方は事故発生に関する法則として「ハインリッヒの法則」が知られています(下図).これは,1件の重大事故の背後には29件の軽微な事故があり,さらにその背景には 300件の異常(事故にならなかったものの,ヒヤリとしたりハッとしたりした事例)が存在するというものです.
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