海外文献紹介
2型糖尿病患者においてHDLコレステロールは癌のリスクになるか?
伊藤 新
1
,
長谷川 夕希子
1
,
中神 朋子
1
1東京女子医科大学糖尿病センター
pp.262
発行日 2015年3月15日
Published Date 2015/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415200109
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近年,2型糖尿病患者においてインスリン作用などにより癌の発症リスクが増加するといわれています.また,脂質代謝も癌発症リスクと関連することが示唆されており,これまでの研究では,一般集団の癌のリスクと血清HDL-コレステロール(HDL-C)の間に逆相関があると報告されていました.本研究は,2型糖尿病患者におけるHDL-C値と癌の発症リスクの関連についての報告です.
対象は,1997〜2013年6月に米国ルイジアナ州の健診受診者のうち2型糖尿病患者で,糖尿病診断時に癌の既往がある患者や必要な情報がない患者を除外した37,345名(30〜96歳,男性14,169名)です.2012年5月31日まで追跡調査を行い,一次エンドポイントを初発癌診断とし観察開始時とフォローアップ期間中のHDL-C値と癌発症リスクの関連を検討しました.
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