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最近,POCT(point of care testing)という患者さんの傍らで医療従事者が行う検査が注目されています.糖尿病診療は,血糖,HbA1c,尿を測定し,結果を見て,治療を進めていきます.そのため,POCTのよい適応と考えられます.厚生労働省の調査で糖尿病が疑われる人は10年前に比べて1.3倍になり,増加ペースが加速しています1).そのせいでしょうか,当院は普通の無床診療所で,私は糖尿病専門医ではありません(循環器専門医ではあります)が,糖尿病,耐糖能異常の患者さんが多くなり,血糖,HbA1cを測定する機会が増えてきました.病院より紹介された患者さんに「検査結果はすぐに出ないのですか」と言われることもしばしばです.検査結果は次回の診察時に伝えたり,電話で説明したり,再来院してもらっており,自院で血糖,HbA1c測定ができればいいと思っていましたが,機械が大きく,高価なため手が出ないと思っていました.しかし,学会の展示,雑誌の広告にて比較的廉価で小さな機器があることを知り,また,外来迅速検査加算が取れるようになったこともあり,2010年1月にグルコース分析装置「アントセンスⅢ(ATⅢ)」(株式会社堀場製作所),ヘモグロビンA1c測定器「A1c GEAR S(GEAR S)」(株式会社三和化学研究所)を導入し,POCTを開始しました.機器はBox 1に示すよう小さな機器で,当院の片隅に置いています.“小さな検査室”です.操作は簡単で指先から穿刺の血液でも可能です.測定にかかる時間は血糖値は約1分,HbA1c値は約6分です.
日常診察時に採血した患者さんで再現性を検討した結果はBox 2のとおりで,血糖,HbA1cともに再現性は良好でした.広島市医師会臨床検査センターに同一検体を提出して相関を検討したのがBox 3です.
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