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特集 1型糖尿病のトータルケア
Ⅲ.治療困難な1型糖尿病の対策
肥満1型糖尿病の指導法
Management of obese type 1 diabetes mellitus
𠮷田 俊秀
1
1京都市立病院 糖尿病代謝内科
キーワード:
①肥満
,
②1型糖尿病
,
③食事療法
,
④減量
,
⑤ストレス管理
Keyword:
①肥満
,
②1型糖尿病
,
③食事療法
,
④減量
,
⑤ストレス管理
pp.216-218
発行日 2010年3月15日
Published Date 2010/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101043
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□はじめに
食生活の欧米化により肥満者が著増し,その結果,2型糖尿病が急増している.肥満2型糖尿病では,内臓脂肪細胞からインスリン抵抗性を引き起こす腫瘍壊死因子(TNF-α)やレジスチンなどのアディポサイトカインが過剰に分泌されるため,インスリン分泌自身は十分保たれているにもかかわらず高血糖をきたす.この場合は,減量により5%痩せることができれば高血糖は改善され1),15%痩せることができれば糖尿病自体正常化する可能性もある2).しかし,インスリン分泌がほぼ消滅している1型糖尿病では,標準体重により決定した摂取カロリー量を食べ,これに合わせた適切なインスリン量の注射を行っていれば肥満するはずはない.それゆえ,1型糖尿病は痩せ型がほとんどで,肥満1型糖尿病は食事療法が守れず過食に合わせた過剰なインスリン量を注射することにより起こる.肥満治療を成功させるには秘訣がある2).今回は,「肥満1型糖尿病の指導法」というタイトルに対し,筆者の経験した肥満1型糖尿病患者の減量成功例をもとに解説する.
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