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Research Note●研究ノート
糖尿病神経障害に対する血管新生療法―糖尿病神経障害に対する新しい治療法
Therapeutic vasculogenesis for diabetic neuropathy
成瀬 桂子
1
1愛知学院大学歯学部内科
pp.105-107
発行日 2008年1月15日
Published Date 2008/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100775
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糖尿病神経障害に対する強力な新しい治療法として,血管新生療法は有効か?
◆糖尿病神経障害に対する治療法
糖尿病神経障害は,糖尿病合併症の中で最も頻度が高く,患者のQOLを低下させるだけでなく,糖尿病患者の生命予後の悪化をももたらす重大な障害である.糖尿病神経障害の病因としては,①高血糖,②ポリオール経路の亢進,③グリケーション,④酸化ストレス,⑤血管性因子,⑥神経栄養因子の欠乏,など多岐にわたる可能性が考えられている.糖尿病神経障害の治療において,血糖コントロールが重要であることは,論をまたないが,膵臓移植により完全に血糖をコントロールしても,すでに進行した神経障害は,ほとんど改善されなかったという報告もある.現在のところ,糖尿病神経障害に対する治療法としては,特に有痛性糖尿病神経障害に対する対症療法として,1)三環系抗うつ薬,2)選択性セロトニン取り込み阻害薬(SSRI),3)抗痙攣薬,4)メキシレチン,5)カプサイシンなどが使用される.また糖尿病神経障害の成因に対する治療法としては,唯一,アルドース還元酵素阻害薬(ARI)が,糖尿病神経障害に対する適応を有している1).
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