特集 医療連携の新ルール
Case Discussion 地方都市における医療連携の新ルール
中村 洋
1
,
片岡 伸久朗
2
,
大久保 雅通
3
,
内潟 安子
4
1下山クリニック
2片岡内科クリニック
3内科久安医院
4東京女子医科大学糖尿病センター
pp.622-633
発行日 2007年11月15日
Published Date 2007/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100738
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
医療連携はこれまでも行われてきましたが,増え続ける糖尿病患者には,連携をよりスムーズにして,大学病院,中核病院,開業医の棲み分けを行い,限りある時間・人・資源を有効に使って診療していかなければなりません.
内潟 きょうは症例を通して医療連携の実際について,どういった点が難しいのか,どうすればうまくいくのか,地方都市の特色なども交えながらお話しいただきたいと思います.
□症例1 あまり罹病期間が長くなく,急激に血糖値が上がってしまった症例(Box 1)
内潟 最初に中村先生の症例をお願いします.
中村 症例をBox 1に示します.約5年前から血糖値の上昇を指摘されていましたが放置されていました.受診3日前から38℃台の発熱と右腰背部痛が出現し,自宅で安静にしていてもよくならないということで受診されました.そのときには口渇と多尿を認めています.身長172cm,体重78kg.少し太めといったところです.体温38.7℃.意識は清明で,口臭も認めません.腰背部に叩打痛を認め,右の腎盂腎炎を起こして受診されたのかなという症例でした.
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.