特集 1型と2型のちがいを識る
Master Lecture
1型と2型のちがいを識る―若年糖尿病から
横山 宏樹
1
1自由が丘横山内科クリニック
pp.510-513
発行日 2003年9月15日
Published Date 2003/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100481
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若年糖尿病といえば1型糖尿病を指す,とすぐに勘違いされますが,日本人の現状は30歳未満発症の糖尿病でいえば,2型糖尿病のほうが多いのです.Box 1に示しましたが,糖尿病発症年齢で15歳以降は,2型糖尿病のほうが多く,2型糖尿病には肥満のない方も少なくありません.したがって発症年齢や肥満の有無だけでは,1型と2型を識別できません.
1型糖尿病は,2型糖尿病と異なり,糖尿病が発見された時と糖尿病を発症した時点とは,大差ありません.したがって1型糖尿病は,糖尿病発症からの罹病期間と合併症発症率のモデルとして,従来から研究されていました.糖尿病発症から20~30年経過すると約30%の方は腎症に至ります(Box 2).しかし30年を越えると腎症になる方は極端に少なくなります.腎症を発症すると10年で60%の方は腎不全(血清クレアチニンScrが2.0 mg/dL以上)に至ります.腎不全を発症すると透析導入まで平均2年,遅くとも4年以内にほとんどの方は透析が必要になります.
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