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特集 検査はどこまでやるか
クリニックでできる眼底検査法―眼科の立場から―眼底写真撮影と糖尿病眼手帳の活用法
Application of fundus photography and diabetic ophthalmological diary
船津 英陽
1
1東京女子医科大学糖尿病センター眼科
キーワード:
糖尿病網膜症
,
眼底撮影
,
眼底検査
,
糖尿病眼手帳
Keyword:
糖尿病網膜症
,
眼底撮影
,
眼底検査
,
糖尿病眼手帳
pp.151-156
発行日 2003年3月15日
Published Date 2003/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100369
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Case 1
眼科紹介により増殖糖尿病網膜症と診断された症例
62歳女性,血糖コントロール目的にて内科受診.50歳時に糖尿病と診断され,経口血糖降下剤で治療を受けていたが,血糖コントロールは長期間不良であった.眼科的自覚症状は特になかった(矯正視力は両眼とも1.0)が,眼底検査をまったく受けていなかったので,眼底撮影(ポラロイド撮影)(Box 1)を行った.右眼の後極部に網膜出血,硬性白斑を認め単純糖尿病網膜症(福田分類A 2)と判定したが,念のため連携している眼科医に紹介した.眼科を受診し眼底検査および蛍光眼底造影検査(Box 2)を行ったところ,黄斑部の上耳側に網膜新生血管および乳頭上新生血管,周辺部網膜に広範囲の血管閉塞領域を認め,増殖糖尿病網膜症(福田分類B 3)と診断され,網膜光凝固を行うことになった.
Case 2
眼手帳利用により治療への動機づけがなされた症例
66歳男性,46歳時に糖尿病と診断された20年来の2型糖尿病患者.以前からたびたび受診を中断しており,血糖コントロールは不良である(HbA1C 8.8~9.8%).内科医が眼合併症や血糖コンロトールの重要性について説明したが,眼合併症に関する理解に乏しく,自分の眼の状態に対しても関心がなかった.眼科医から「糖尿病眼手帳」(Box 3)を渡され,自分の眼の状態を知るようになってから,治療への動機付けがなされ積極的に血糖コントロールを行うようになった.
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