特集 ここまで進んだ自己管理
高カロリー輸液の自己管理
大内 孝雄
1
1国立舞鶴病院外科
キーワード:
中心静脈栄養
,
浸透圧
,
発熱
,
敗血症
,
経腸栄養
Keyword:
中心静脈栄養
,
浸透圧
,
発熱
,
敗血症
,
経腸栄養
pp.940-942
発行日 2000年11月15日
Published Date 2000/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414903116
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Question & Answer
Q:高カロリー輸液(中心静脈栄養)とは?
A:点滴注射で多量の栄養を与えるには,高濃度の輸液剤を用いるか,通常の濃度の輸液剤を大量に投与する必要があります.しかし,高濃度の輸液剤を末梢の静脈から輸液すると,浸透圧(J1)の関係で血管に炎症を起こし,すぐに詰まってしまいます.また,通常の濃度の輸液剤ではあまりに大量の輸液が必要となり,肺水腫を起こし心不全,呼吸困難となり危険です.
中心静脈栄養とは上大静脈に細いカテーテルを留置し,ここから高濃度の輸液製剤を投与するものです,いかに高濃度の輸液でも,上大静脈では大量の血液が流れているのですぐに薄められ,血管や血球に害を与えずに少量の輸液で多くのカロリーを投与できます.この技術の開発・進歩により,経腸栄養では十分な栄養が得られず死亡していた人が助かるようになり,今までは不可能であった大きな手術や新しい治療法が可能となってきました.
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