JIM臨床画像コレクション
副鼻腔炎と鼻中隔彎曲を合併している花粉症患者の鼻粘膜
芝埜 彰
1
,
藤村 聡
1
1日本赤十字社和歌山医療センター耳鼻咽喉科
pp.86
発行日 2000年1月15日
Published Date 2000/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414902910
- 有料閲覧
- 文献概要
花粉症はいまや「国民病」とも呼ばれ,一般内科の外来でも頻繁に遭遇する.また,花粉症患者をはじめとする鼻アレルギー患者は高率に副鼻腔炎や鼻中隔彎曲を合併することが知られ,鼻アレルギーの治療にはこれらの合併症の治療も不可欠である.花粉症などの鼻アレルギーの診断には鼻粘膜の観察は欠かせない.アレルギー性変化を来した鼻の局所所見は粘膜は正常粘膜に比べ色調が蒼白に変化し,下鼻甲介が腫脹し鼻腔を閉塞し,中鼻甲介も観察できず,水性鼻汁も観察できる.
また,副鼻腔炎と鼻中隔彎曲を診断することは内科医には視診のみでは困難であるが,ウオーターズ法による単純X線撮影で容易に診断できる.本例では鼻中隔の彎曲を認める.また,正常な上顎洞(右)は空気で含気されているため黒く写り,副鼻腔炎を起こし貯溜液が溜まっている上顎洞(左)は白く写っているのも観察される.なお,前頭洞は左右共に正常所見である.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.