外来で見逃された症例―あなたの診断は?・16
水様便と腹痛で受診し,臍部から臍直下に著明な圧痛点を認めた青年
藤原 秀憲
1
,
生坂 政臣
1
,
亀谷 学
1
1聖マリアンナ医科大学病院総合診療内科
pp.5,86
発行日 2000年1月15日
Published Date 2000/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414902889
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症例:21歳,男性.4日前の夕方より感冒症状と右側腹部痛が出現.翌日,水様性下痢を伴い痛みは腹部全体に広がった.また,排尿時に下腹部がつっぱる感じがあり,軽度の頻尿と残尿感を訴えた.既往歴に特記事項なし.外来受診時の身体所見は血圧100/72mmHg,体温37.1℃,脈拍76回/minで,頭頸部,胸部に異常所見を認めない.腹部は平坦,軟で,腸音は正常範囲.膀部からまっすぐ下方に向かって帯状に著明な圧痛を認めた.肋骨脊柱角に叩打痛はない.尿検,血算は正常範囲.血液生化学検査ではCRP 0.9mg/dl以外に異常所見を認めない.腹部所見を図示する(図1).
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