再評価後の漢方治療入門―もう一度随証治療・9
八味地黄丸
坂口 佳司
1
1坂口循環器科内科医院
pp.829-832
発行日 1999年9月15日
Published Date 1999/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414902819
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本連載では,1つの治療テーマについて少なくとも2つの漢方処方を取り上げて,使用上の対比を行ってきた.今回,漢方処方の中で小柴胡湯や葛根湯と同じく重要で広く知られている処方である八味地黄丸(以下,八味丸)を取り上げるにあたっては,対比するべき他の処方が見あたらない.これは,八味丸の使用領域が広く多岐にわたり,独特の病態像が作り上げられていることが主たる理由である.保険収載された漢方処方の中で,六味丸や牛車腎気丸などはあくまで八味丸の変方と考えることができるので,対比する処方としては取り上げるべきではないと考える.
したがって,今回は八味丸については,数多い現代医学的研究に触れるとともに,適応とされる疾患について使用法を煮詰めてみることにする.
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