特集 〔胸痛+α〕から何を考える
胸痛+体重減少
瀬口 雅人
1
1山口大学附属病院総合診療部
キーワード:
胸痛の性状
,
胸部X線側面像
,
胸部CT
Keyword:
胸痛の性状
,
胸部X線側面像
,
胸部CT
pp.299-301
発行日 1998年4月15日
Published Date 1998/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414902431
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Case
1 腹部所見もあり消化管の悪性腫瘍が疑われた症例
患者:74歳,男性.2カ月前より右側胸部痛,右季肋部痛を認めた.食欲も落ち,下痢が続き約5kgの体重減少があった.近医で胸部X線では右上肺野の陳旧性肺結核の像以外に所見なしと判断され,消化管の精査を施行したが,胃,大腸には異常所見はなく,精査のため当院総合外来を紹介受診した.痛みの性状は鈍痛であるが,時間や食事とは関係なく生じる.右側臥位で増強し,夜間は痺痛のため鎮痛剤なしでは睡眠が困難であった.胸部X線写真では,右上肺野の陳旧性肺結核の像以外に右下肺野に淡い腫瘤影が認められ,また右第7肋骨の下縁が不明瞭であり(図1,2),CTを施行した.CTでは肋骨まで侵蝕する胸壁の腫瘤陰影を認め,生検の結果扁平上皮癌が認められた.
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