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　印象に残る身体所見というのは当然のことながら臨床の経験を積めば積むほど増えてくる．また，それが診断に直結するような所見であればあるほど，それをとらえた時の喜びも大きく，忙しい日常診療での清涼剤にもなる．その基礎はやはり患者の話しをよく聞き，よく観察するということに尽きる．その場合のオリエンテーションとなるのが種々のphysical examinationのテキストブックであり，折につけてひもといてみるとまた新たな知識が得られるものである．臨床医の誰もが既に自分の好みの書を持っていることと思うが，本号に執筆いただいた先生方に挙げていただいたものを中心に述べる．