JIM臨床画像コレクション
成人Still病
宮地 良樹
1
1群馬大学医学部皮膚科
pp.103
発行日 1996年2月15日
Published Date 1996/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901732
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成人Still病は,原因不明の間欠熱,サーモンピンクと称される皮疹,関節炎を主徴とする疾患で,不明熱の際,皮疹を手がかりに疑われることが多い.本症の皮疹は定型的な場合,1~2cmまでの淡紅色紅斑が散在,時に融合して地図状となり,通常は発熱に伴って出現し,解熱時に消退することが多い.皮疹は体幹や四肢に多く,掻痒は軽微である.写真はかなり明瞭な皮疹を呈したものを示したが,非常に淡い紅斑が出没するだけであったり,解熱時にも完全に消退しないとか色素沈着を残すなど非定型的なこともしばしば経験する.
発熱は39℃を越えるspikyな熱型を呈し,夕方から夜半にかけて発熱し,朝方には平熱となる間欠熱の型をとることが多い.関節炎は一般に発熱や皮疹に遅れて出現する.臨床検査では,白血球増多,貧血,赤沈亢進,CRP陽性,高ガンマグロブリン血症,肝機能障害がしばしばみられる.本症ではフェリチンが高値を示し,かつ病勢と相関することが多く,診断上有用である.
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