漢方診療室
過敏性腸症候群と診断され来院した56歳,男性
三潴 忠道
1
1飯塚病院漢方診療科
pp.87-88
発行日 1996年1月15日
Published Date 1996/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901731
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Case
患者 56歳,男性(過敏性腸症候群).
主訴 下痢
現病歴 5~6年前から特に冬になると腹満感が出現し,鈍痛を伴う.腹の中がガラガラと鳴り,放屍も多いが臭いはあまりしない.便通は1日2回で,便の性常は泥状,あるいは初めが硬くて終わりは液状,便臭は少ない.排便後はすっきりする.3カ所の総合病院で大腸造影,上部消化管内視鏡などを含めた諸検査を受けたが異常なく,過敏性腸症候群と診断された.消化酵素剤,整腸剤などを処方されているが症状が好転せず,来院した.食欲と尿利は正常で夜間尿はない.睡眠障害もない.寒がりで下肢が冷えやすい.
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