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Special Article
足の皮膚と爪の異常―第2部 皮膚の異常
Skin and Nail Disorders of the Foot: Part 2
井上 健司
1
,
松井 征男
2
1順天堂大学循環器内科
2聖路加国際病院内科
pp.1131-1133
発行日 1995年12月15日
Published Date 1995/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901704
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■足白癬
水疱(陸上競技者の足)という別名で知られる足部白癬は米国では最も多い皮膚糸状菌症である.原因として最も多いのはTrichoPhyton rubrumとT. mentagrophytesである.その程度は非常に様々で,ごく軽い慢性感染症から,大きな水疱や亀裂,足底皮膚の肥厚,2次感染を伴って体の自由にまで影響を及ぼす皮膚病変まである.足部白癬は3つに分類できる.乾燥型,または鹿皮型は通常趾間部,足底,かかとにみられ種々の程度の落屑,発赤,掻痒,亀裂形成を伴う.湿潤型は普通足底か趾間部にみられる.水疱型は重篤な炎症の特徴を示し,足だけでなく手にもみられる(図1).乾燥型の足白癬の場合,鑑別診断としてはWood光にて診断可能な紅色陰癬や柔性のうおのめ,乾癬,角化症,接触性皮膚炎などが挙げられる.湿潤型と水疱型の鑑別診断に表皮水疱型,膿疱性乾癬や汗疱などがある.足白癬は病変部位の端から15号のメスでこすり取った水疱型の検体を検鏡して診断する.検体に数滴の10%KOH液を滴下し,静かに熱しカバーグラスをかける.分枝形成をしている菌糸と菌糸体は表皮性皮膚糸状菌を診断され,分芽細胞や偽性菌糸の場合は酵母菌,特にカンジダが疑われる.顕微鏡的検査で陰性であったり結論がでないときは,こすりとった検体をサブロー寒天培地のような適当な培地で培養すべきである.
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