日常診療に活かす臨床疫学・9【最終回】
因果関係―疾患の原因をどのように究明するか
新保 卓郎
1
1国立東京第二病院総合診療科
pp.930-932
発行日 1995年10月15日
Published Date 1995/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901649
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疾患の原因や危険因子を推定するのは容易ではない.この目的で症例対照研究がしばしば用いられる.
疾患の原因や危険因子を明らかにすれば予防や治療に役立つ.しかし因果関係を究明するのは簡単ではない.雨に濡れた後にかぜをひいた(時間的前後関係がある)からといって雨がかぜの原因とは言えない.また腎機能障害患者で血中BUN値が高いほど赤血球数は少ない(相関関係がある)といっても,貧血の成因はBUNの骨髄毒性というよりエリスロポイチンの低下が主因であろう.
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