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特集 癌検診のメリット・デメリット
Grand Rounds
肺癌検診における胸部X線写真の読影
Two Cases on Chest X-ray Findings in Lung Cancer Screening
久保田 馨
1
,
中野 好
3
,
大松 広伸
1
,
赤畑 正光
3
,
西村 光世
2
,
栗原 玄浩
3
,
網代 洪
3
,
江口 有一
3
,
富田 利夫
3
,
原 元一
3
,
中路 一
3
,
北野 慎一郎
3
,
西巻 博生
3
,
亀山 健一
3
1国立がんセンター東病院呼吸器内科
2国立がんセンター東病院呼吸器外科
3葛飾区医師会
pp.428-434
発行日 1995年5月15日
Published Date 1995/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901506
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■症例1
患者 69歳,男性,元教員.
FBS123mg/dl,HbA1c6.4%程度の軽度糖尿病はあるが,肥満度4.2%で食事,運動療法のみで経過良好.他に特記すべき疾患なし.1992年5月内痔核手術のためT病院入院.その際行ったCEAが高値であったため全身精査が行われた.胸部CTで右上肺野の陳旧性肺結核症と考えられるshadowが認められた.以前のX線写真を依頼され貸し出したが,結論は陳旧性肺結核症とのことであった・1994年9月秋の無料検診の際,胸部X線で右上葉の淡いshadowは前年よりやや拡大した印象もあり,胸部CTを依頼した(CEA 9,4,たばこ(―)).この胸部CTと1994,1993,1992年のX線写真を葛飾区医師会肺癌読影会に提出し諸氏の意見を聞いたところ,肺癌であるという意見と癌ではないとする意見に分かれてしまった.結局集談会に症例を提出し国立がんセンター東病院の先生方の意見を聞いたほうが良いということになり,症例を提示した.
①胸部X線読影に際しては,必ず前年のX線写真も出して比較読影を行っており,それが非常に役立った.
②葛飾区医師会肺癌読影班および集談会で,国立がんセンター東病院の先生方に症例を提示した際にはT病院での診断結果は一切伝えなかった.
(症例提示 網代 洪氏)
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