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クループに対するエアゾール化ステロイド
Aerosolized steroids for croup
溝渕 和久
1
1今西医院
pp.1039
発行日 1994年11月15日
Published Date 1994/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901350
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今週号でKlassenらはブデソニドのネブライザーによる吸入で,軽症から中等症のクループ小児の回復がより速やかであったことを報告した.ウイルス性クループは3歳までの小児に最もよく認められる上気道疾患である.しかしその治療に関してはいまだに論争がある.テント内での加湿空気投与はクループで入院した小児に対するルーチン治療の1つである.この治療により分泌物に湿度を与えて喀出を容易にし,喉頭粘膜の炎症を鎮めて小児がより快適に感じるとされてきた.しかしクループによる声門および声門下浮腫に対する加湿空気の有効性を証明する証拠は少ししかない.いくつかある無作意調査の1つでは加湿空気テントは何ら効果を認めていない.
ラセミックエピネフリン吸入は急性ウイルス性クループ悪化時の主たる対症療法である.ラセミックエピネフリンはαアドレナリン効果により粘膜の血管収縮を生じ,声門下の炎症による浮腫を軽減するとされている.ラセミックエピネフリン投与により臨床状態は改善され挿管の必要性は減じるように思われるが,その効果は投与後2時間以内に消失する.繰り返して投与する必要がある患者もいる.
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