ミニテクニック
高血圧手帳の利用
東 道夫
1
1東医院
pp.252
発行日 1993年3月15日
Published Date 1993/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900781
- 有料閲覧
- 文献概要
当院では高血圧症で通院中のほぼすべての患者に,当院で独自に作成した「高血圧手帳」を持たせている(図).これを来院の際に持参させ,測定した血圧値をグラフ式になった欄に記入して返している.これによって患者は自分の血圧の推移(治療効果)を知ることができるだけでなく,服薬していない時の血圧の上昇を自分の目で確認することができ,服薬コンプライアンスの向上に役立っている.血圧の急激な変動があった場合,その理由(服薬状況,塩分摂取量,ストレスなど)を患者とともに考えることが,患者の自覚を高めることになる.また空欄に定期的に施行した臨床検査値などのコピーを渡して貼りつけさせ,自分の状態をよく知るよう促している.必要と判断した患者には現在服薬中の薬品名を記入し,末尾には高血圧管理のために重要な事項についての注意が記されている.いわば高血圧患者のための総合健康管理手帳であり,他科受診や転医の際にも積極的に持参するよう勧め,大いに役立っている.
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.