研修病院ガイド
県立岐阜病院総合内科
谷藤 正人
1
Masato Tanifuji
1
1自治医科大学大宮医療センター
pp.1015
発行日 1992年11月15日
Published Date 1992/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900651
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研修内容
県立岐阜病院は,岐阜県の3次医療と救急医療を担う総合病院であります.総合内科は,その中で臓器別に専門分化しない形で診療する内科で,外来患者数1日約30人,病床10床であります.筆者は,縁あって自治医科大学の僻地勤務4年を終えた時期に2年間の研修をする機会を得ました.自分の継ぎはぎだらけの医学診療の方法に対し疑問を持っていた時期でもあり,総合プロブレム方式(POSとは似て非なるもの)を教えられ,診療で実践することは,目から鱗が落ち,頭の中が再構成される革命的な出来事でありました.
研修の内容は,週2回の入院患者のカンファレンスと回診が中心です.主治医は,患者のプロブレムを示し,症状,所見を示し,議論をします.そのうえで,計画が立案され,実行されます.この積み重ねの中で初めて,実力のある内科医が育つと教えられます.また,週1回の抄読会ではN Engl J MedのCPCを材料に用います.presentationの部分を事前に配布しておき,研修医は,プロブレムリストを作り,鑑別診断を考え,議論し,次の打っべき手を立案します.最後に,担当者が,differential diagnosisとpathologi-cal discussionの部分を訳し,解答を与えるという方法です.これは,ちょうどよい主治医のシュミレーション学習になります.
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