Japanese
English
特集 胸痛の全体像を知る
消化器由来の胸痛
Esophageal Chest Pain
松枝 啓
1
Kei Matsueda
1
1国立病院医療センター消化器科
pp.702-704
発行日 1992年8月15日
Published Date 1992/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900544
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・胸骨下の胸痛のためCCUに入院した患者の10~30%に心臓の異常が見いだせず,これらの患者の胸痛をnoncardiac chest painと総称する.
・このnoncardiac chest painを持つ患者の30~60%に食道疾患および食道機能異常が見られ,これを食道由来の胸痛(esophageal chest pain)と呼称する.
・食道由来の胸痛は,その性状が狭心症と酷似し,またニトログリセリン(→1)により緩和されるため狭心症と誤診されることが多い.
・食道由来の胸痛は,逆流性食道炎あるいは食道運動異常を伴う疾患で発生する.
・食道由来の胸痛の確定診断は,24時間食道内pHモニターや24時間食道内圧測定が最も有効であり,またBernstein's testも感受性は劣るが有効である.
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