特集 外来診療のcontroversies
Editorial
外来診療のcontroversies
宮城 征四郎
1
Seishiro Miyagi
1
1沖縄県立中部病院
pp.560
発行日 1992年7月15日
Published Date 1992/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900481
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医療には常にcontroversyがつきものである.当たり前に思いつつ日常茶飯に行っている医療行為の数々が,実は全く根拠のないものであったり,良かれと信じて行う医療行為の幾つかが,長期的展望に照らせば,結果的には患者に無益な医療費の負担を強いているだけということもままあることと思われる.抗喘息薬の投与経路が,注射から経口法へ,そして今日,その大半が吸入法へと変更された裏には,心ある臨床研究者たちの"常に最善の薬剤投与経路"を探査せんとする情熱と,ルーチンに行われている医療行為を根底から洗い直す態度が堅持されたであろうことは疑う余地がない.そして,それが完全に定着するまでには侃侃諤諤の論議が長期にわたり戦わされたのである.
欧米の医学雑誌の中には定期的にup-to-dateのmedical controversiesを特集するものがあり,その幾つかは既に読者諸賢の目に触れていることと思われるが,欧米のcontroversyと日本のそれとではいくらか内容が異なるはずであり,本邦に特有なcontroversyもまた,多々あるものと思われる.
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