当直医読本
進行性に増悪する腰痛を主訴とした44歳男性
上嶋 権兵衛
1
Gonbei Kamishima
1
1東邦大学大森病院救命救急センター
pp.704-705
発行日 1991年10月15日
Published Date 1991/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900227
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トピックス
腰痛は非特異的な症状であり,椎間板,椎間関節および傍脊柱靱帯から構成される脊柱機能単位の構造的,機能的障害によって発生する知覚終末または神経線維自体への刺激が原因で発生する.したがって,椎間板ヘルニアなどの整形外科的疾患が原因となる場合が多いが,時に乳癌,胃癌,肺癌,腎癌,膵癌,肝癌,前立腺癌等の脊椎転移が腰痛の原因となる.特に,初期に運動時痛を示し,安静で緩解するが,徐々に増強する場合は悪性腫瘍の脊柱への転移の可能性を考え,早期にCT検査を行うべきである.
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