読者フォーラム
地域の症例
出光 俊郎
1
Toshio Demitsu
1
1公立佐沼総合病院皮膚科
pp.56
発行日 1991年4月15日
Published Date 1991/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900020
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伝染性膿痂疹の治療
伝染性膿痂疹(とびひ)は,いうまでもなく化膿球菌による伝染性皮膚疾患で,高温,多汗の夏に幼小児に好発する.大都会においては以前ほど重症例をみかけなくなったという.一方,地域においては泥遊びや土いじりをよくするためか,手指や爪の汚い子どもが多く,虫刺症やすり傷などの頻度も高い.そうした爪で病巣を掻破することから,従来と同様,典型的,かつ広範囲の膿痂疹病巣をみることが少なくない.また,本症の主要原因菌である黄色ブドウ球菌(黄色ブ菌)の抗生物質に対する耐性株も増加しており,教科書通りの治療を行っても治癒し難い症例もみうけられる.本稿では多数の症例の治療経験から得られた伝染性膿痂疹の治療の実際について概説する.なお誌面の都合上症例の一部しか紹介できない点を御諒承いただきたい.
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