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川畑 信也(著)―『かかりつけ医・非専門医のための認知症診療メソッド』
高橋 智
1,2
1岩手医科大学 神経内科
2岩手医科大学 老年科
pp.111
発行日 2011年2月15日
Published Date 2011/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102097
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かぜ症候群の診療はかかりつけ医に委ねられている.毎日,患者に対応し,診断・治療に精通していく.全例に採血や胸部X線を施行することなく,ウイルス培養を行うことなく,最善の治療を施していく.膿性痰が続けば,経験則に基づき,抗菌薬を投与する.かかりつけ医こそが,かぜ症候群の専門医である.
認知症診療は「対話の医療」である.患者の声,表情,そして動作から心の声を聞き取る.介護者にケアの本質を啓発し,その結果が患者の症状改善に反映される.人生経験豊かなかかりつけ医は認知症医療の奥深さに魅了されるに違いない.クリニックには,認知症患者が溢れている.「いっちょ,やってみるか」と始めれば,容易に「認知症の臨床専門医」にレベルアップできる.
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