専門看護師の活躍

Case

高齢者を多く抱える施設における，専門看護師の排便ケアの取り組み例

　下痢や便秘により不穏になったり体調を崩しやすい高齢者を多く抱える施設において，専門看護師は，排便コントロールを止痢剤や下剤・浣腸に頼るのではなく，排便状態や排便習慣などを観察し，下痢や便秘の原因を判断したうえで生活調整を中心に行う取り組みを行った．具体的には，看護師でプロジェクトチームをつくる，医師には処方，薬剤師には施設で使用している薬剤の薬効，栄養士には食事内容をそれぞれ再確認したうえで見直していくなどを通して実施した．

　このような活動の結果，高齢者の排便がコントロールされ生活の質が向上するとともに，看護師や介護者の排便ケアにかかる負担が減少し，看護師の排便に関する知識の向上と主体的な看護の促進，排便ケアを通した施設内のシステムの改善につながった．