特集 診療を変える新しい薬2010
【生活習慣病に対する新しい治療】
DPP-4阻害薬―2型糖尿病治療におけるインクレチン分解抑制の重要性
服部 正和
1
,
知念 良直
1,2
,
中川 嘉苗
1,3
,
古市 義人
1
,
島津 章
4
,
桜井 弘
5
,
Sullivan William
6
William Sullivan
6
1国立病院機構京都医療センター 臨床研究センター糖尿病研究部
2京都大学理学部
3京都工芸繊維大学
4京都医療センター臨床研究センター
5鈴鹿医療科学大学薬学部
6Joslin Clinic, Joslin Diabetes Center, Harvard Medical School
6Joslin Clinic,Joslin Diabetes Center,Harvard Medical School
キーワード:
インクレチン効果
,
GLP-1
,
GIP
,
DPP-4阻害薬
,
GLP-1受容体アゴニスト(アナログ)
Keyword:
インクレチン効果
,
GLP-1
,
GIP
,
DPP-4阻害薬
,
GLP-1受容体アゴニスト(アナログ)
pp.238-244
発行日 2010年4月15日
Published Date 2010/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101885
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糖尿病の治療は15年先を見越して行うこと,すなわち「Legacy Effect(遺産効果)」が提唱され,ライフスタイル(主に食事と運動)を改善し,糖尿病薬を用いながら長期間にわたる良好な血糖コントロールが目指されるようになった1,2).DPP-4阻害薬[シタグリプチン(ジャヌビアⓇ)]は,日本においては2009年12月に発売された2型糖尿病に対する新しい経口糖尿病薬であり,小腸粘膜細胞から血中内に分泌される消化管ホルモン「インクレチン(Incretin)」を分解するDPP-4(Dipeptidyl Peptidase-4)酵素の阻害薬である.DPP-4は血管内皮細胞内に広く存在する.インクレチンの主な作用は,膵臓ランゲルハンス島β細胞のインスリン産生と分泌を促進することである.DPP-4酵素阻害薬は米国においては2006年10月FDAにより承認され,約3年前から使用されている.本稿では,2型糖尿病治療のためにDPP-4阻害薬を使用する時,理解しておくとよい特徴について述べる.
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