特集 不整脈診療ステップアップ
【日常診療で遭遇する疑問】
QT延長症候群の治療
大野 聖子
1
,
堀江 稔
2
1京都大学医学部附属病院循環器内科
2滋賀医科大学呼吸循環器内科
キーワード:
遺伝子型
,
βブロッカー
,
後天性QT延長症候群
Keyword:
遺伝子型
,
βブロッカー
,
後天性QT延長症候群
pp.764-767
発行日 2008年9月15日
Published Date 2008/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101507
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Case
運動負荷により失神をきたした1例
患者:11歳,男児.
家族歴:母,弟に無症候性のQT延長あり.
現病歴:10歳時,学校の体育で短距離走時と水泳時に計3回意識消失をきたし,保健室で覚醒.精密検査でQT延長(QTc 0.48秒)を指摘され,トレッドミル運動負荷でも運動負荷時にQT延長を生じた.Torsade de pointes(TdP)と呼ばれるQT延長症候群に特徴的な多形性心室頻拍は再現できなかったが,運動時の失神はQT延長症候群によるものと診断した.治療としてβブロッカー(ビソプロロール2.5 mg)の内服を開始するとともに,激しい運動の禁止を指導した.遺伝子解析の結果,QT延長症候群1型の原因遺伝子であるKCNQ1に遺伝子変異が同定された.
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